断食博士の「西式健康法入門」甲田光男監修2014年6刷発行
初めに
甲田光男先生は現代医学の治療法で治らなかったご自身の病を、西式健康法で克服されました。 その後、医師として開業し、以来半世紀にわたって、来院される患者さんたちに西式健康法をを勧めに、実行の指導をしてこられた。
入院施設を設け、朝夕と、つぶさに患者さんの変化を観察し、休みなく対応してきた日々の積み重ねの結果、西式健康法を基礎とした「西式甲田療法」を確立されたのです。
いつの間にか、現代医学では救われない数多くの難病の患者さんも診察されるようになった甲田光男先生は、八尾健康会館、さらに小食健康法友の会などの活動を通じて、広く一般の方々にも西式健康法を普及してこられました。
西勝造先生が提唱された「西式健康法」は、決して特殊な治療ほうでも健康法でもありません。
人間が生来持ち合わせた自然治癒力とでもいうべき危機的対応能力を賦活(ふかつ)させ、様々な原因でひずみを生じた肉体活動や精神活動のバランスを取り戻すことに主眼を置いた健康法です。
多くの臨床経験に裏付けられ、甲田光雄先生が自信をもって推奨される西式健康法を、実際に病気を克服された方々の力添えと、、是非ともという強い要望にお応えすべく、一冊にまとめて出版する運びとなりました。
また本書は前者である「健康養生法のコツがわかる本」の内容に重ならないよう、より平易に、かつ理解が深まるように展開いたしました。一問一答式で、読み進めるうちに、自然と、この、「本物の健康法」の全体像がお分かりいただけるでしょう。
本書をお読みいただいた読者の方々が、西式健康法に興味を持たれ、実行してみたいという気持ちになっていただけたら何よりです。
21世紀こそ、多くの方々に共感を呼ぶ健康法として受け入れられることを、スタッフ一同、心から願っております。
平成19年11月吉日
第一部 西式健康法の理論と実際
本物の健康法・
西式健康法
西式健康法とは・・・・・
故・西勝造氏(1884~1959)が編み出した健康法。
西氏は、炭鉱勤務を経てコロンビア大学に学び、当時の東京市電気局の技師になり、上野ー浅草間の地下鉄敷設を担当した人物。
下痢と風邪が交互に続き、17歳で結核にかかり、「20歳まで生きられない」といわれ、古今東西の医学や健康法を研究。医学・宗教・哲学・栄養学・工学など7万3000冊の文献を読破。現代医学をはじめ、漢方・鍼灸しんきゅう・ヨガ・カイロブラックティック・指圧・呼吸法・冷水浴・乾布摩擦など、362種の健康法を自ら試した末、よりすぐりものを1927(昭和2年)に西式健康法として発表した。
Q 西勝造氏とは、どのような人ですか。
A 西先生は大天才ですな。あんな人は、もうちょっと出てこないと思います。200年に1人、出るか出ないかの人だと思います。
西先生は、連日睡眠3時間あまりで過ごし、東京都土木技師としての正規の職務のほかに、医学の研究や講演などの激務を平気で消化されていました。普通の人間ではとうてい真似できません。
また、世界各国の文献をかたっぱしから読破、検討され、それに独自の見解を加えて西医学を集大成する材料にされましたが、あの膨大な文献の重要な箇所は、すべて暗記しておられたのです。我々凡人の目から見れば、気の遠くなるような才能のもち主でした。
Q 西式健康法とは、どのような健康法ですか。
A 世の中にはいろいろな健康法がありますが、西式は、健康法の中でも最高のものだと私は思っております。西式は、精神的にも肉体的にも最高のものを作っていくいくという壮大な目標があるのです。精神面では悟りです。迷いがない。肉体的には無感ですね。自分の胃や目、あるいは鼻などがどこにあるか全く感じない。そんな人こそが真に健康な人です。
「胃がもたれる」「目がかすむ」「肩がこる」「足が重い」など、無感になれない人は健康ではない証拠。この最高の状態を西式健康法では実現できる。しかも、誰もがどこでもできかつお金もかかりません。
西式では、健康になるための四大条件として、体内の酸とアルカリの平衡を保つ」「血液循環の等速」「左右の神経は対称」「脊柱せきちゅうを正しく整える」があり、これに私が後から「循環の浄化」を加えました。
西式の運動はどれも簡単です。金魚運動も毛管運動も合嘗しよう合蹠がつせき運動も短時間でできます。食事も簡単です。青汁と玄米と豆腐を食べるだけです。
西式では「朝食抜きの1日2食」が基本です。その他は水と柿の葉茶だけ。簡単なものです。あとはお風呂で温冷浴をし、寝るときには半円柱形の木枕を使って平床に寝る。たったこれだけです。なにも難しいことはありません。